2018年6月20日刊行、鎌倉・大船で営まれる古本を売る立飲み屋「ヒグラシ文庫」名物店主・中原蒼二(2019年逝去)のレシピエッセイ集。
※ヒグラシ文庫は現在も中原氏の意志を引き継ぐ方々によって営まれています。
ひとところに落ち着くことのない人生、ひとくくりにできない複雑な履歴を持つ中原が同店を開店させたのは3.11がきっかけだった。線路沿いを歩き続け、20時頃にようやく帰り着いた地元・逗子は停電により真っ暗だった。そんななか行きつけだったある立ち飲み屋にはロウソクが灯され、いつもの常連たちが集まっている。「おれはなにかに救われたような気がした」……。
本書は何を何グラム、何杯、何ccといういわゆるレシピ本とはまた異なる。
檀 一雄に傾倒した幼少期、希望と侘しさを抱えた青春期、晩年の深い孤独…その時代時代の味や香りを呼び起こさせるエピソードや、画家・瓜南直子(故人)との交流と彼女のお気に入りだった酒肴、愛読していた小説・作品のなかの料理などにも触れつつ、製麺工場の直売所や地元の農産物即売所、朝の豆腐屋へ足を運ぶ妙味など、料理への向き合い方を綴っていく。
※現在もヒグラシ文庫にて提供されているものも多い。
■著者 中原蒼二
1949年生まれ、東京出身。演劇・舞踏のプロデュース多数。都市文化施設計画のプロデュース多数。北九州角打ち文化研究会関東支部長。北九州市の情報誌『雲のうえ』立ち上げに携わる。「水族館劇場」制作代表。立ち飲み屋「ヒグラシ文庫」(鎌倉・大船)主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)。2019年逝去。
■写真 有高唯之
1971年生まれ、石川県金沢市出身。逗子在住。写真家。1998年よりポートレートを中心にカルチャー誌で写真家としてのキャリアをスタートし、広告、CDジャケット、書籍等で独自の感性で捉えた作品を発表している。ライフワークとして世界各地の皆既日食の撮影を続けながら、東京から逗子に拠点を移してからは三浦半島をテーマに撮影を行っている。2018年5月に、処女作となる三浦に生きる人のポートレート写真「南端」を上梓。
【折り込み短編エッセイ集】
「中原さんちの卓袱台を囲む」執筆者(順不同・敬称略)
※帯を書いてくださった錚々たる先生方が中原氏の料理にまつわるショートエッセイを寄せてくださいました。本書に挟み込んでございます。こちらもどうぞお楽しみください。
■遠藤哲夫
■大竹聡
■鈴木常吉
■瀬尾幸子
■南陀楼綾繁
■牧野伊三夫
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¥1,629価格
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