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「横浜の人たちは、そのときどんなお酒を飲んでいたんだろう」

そんな素朴な疑問を持ったことをきっかけに、街の語りべたちをを訪ね、手触りのよい紙に、公的記録には残りにくい街の記憶と街の歴史秘話をしたためました。

はま太郎10号 ヨコハマ・理想郷譚十之章

「伊勢佐木町入口の不夜城~イセビル地下の壁絵が語る、ザキのモダン文化~」

 

2015(平成27)年5月。
はま太郎編集部は、イセザキモール入口にそびえる今年89歳になろうとするイセビルの地下で、巨大な壁絵を目の当たりにする…。

伊勢佐木町のビルの地下へ

「今日これからどうでしょう? 地下へ降りてみましょうか。」
5月、真夏のような陽気の昼下がり。
西さんからの電話に我々は胸を躍らせた。
自分たちの入居するビルには知らない部屋がいくつもある。地下室は、我々にとって、殊更厚いベールに包まれていた。
伊勢佐木町1丁目、吉田橋の際、イセザキモール入口に建てられたアーチ窓がモダンなこのビル。地下1階・地上5階(のちに6階部分を建て増し)建て。総延面積約1000㎡。
通称「イセビル」。正式名称を「第一イセビル」という。
「株式会社伊勢ビル」が有する物件のひとつで、現在はイセビルを建てた上保慶三郎氏(1885~1963年)の曾孫にあたる上保純一氏が代表取締役を務めている。
西さんは同社でビルの管理事務を担当している人物だ。
「是非!」
我々は即座に返答した。

連載記事「市民酒場を語る」「ヨコハマ理想郷譚」「オヤジ尾行」など

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